会社設立にはどれくらいの期間がかかる?最短期間と標準的な期間

これから会社設立をする場合、どれくらいの期間がかかるか気になるでしょう。会社設立にかかる期間は、設立したい会社の種類や設立準備がどの程度進んでいるかによっても変わってきます。今回は、会社設立にかかる期間について税理士がポ … 続きを読む 会社設立にはどれくらいの期間がかかる?最短期間と標準的な期間

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これから会社設立をする場合、どれくらいの期間がかかるか気になるでしょう。会社設立にかかる期間は、設立したい会社の種類や設立準備がどの程度進んでいるかによっても変わってきます。今回は、会社設立にかかる期間について税理士がポイントを解説します。

 

会社設立の大まかな手順・流れ

会社を設立するには様々な手続きが必要です。

1.会社の基本的事項を決める

まずは会社の基本的な事項を決定します。最初に決めなければならない主な事項は次のとおりです。

・会社の商号(会社名)
・事業目的(何をやるか)
・本店所在地
・事業年度(決算月)
・資本金額
・会社設立の際に発行する株式数
・発行可能株式総数

会社の商号を決める際には、類似商号の調査を行います。これは、同一住所に同じ商号があっては会社設立ができないというルールがあるからです。類似商号の有無は、法務局のオンライン登記情報検索サービスなどですぐに調べることできます。また、商標権侵害とならないように、商標登録されているかどうかも確認しておいた方が良いでしょう。

(関連記事)会社設立で会社名(商号)を決めるときのルール・注意点

なお、事業年度(決算月)や資本金額については、設立1期目~2期目の消費税の納税義務者判定に影響を与えることになりますので、事前に税理士へご相談されることをお勧めします。弊所でもご相談を多数お受けしています。

2.会社印を作成する

次に印鑑の作成を行います。
最低限必要になるのは次の3つです。1つ目は社長個人の実印、2つ目は会社実印、3つ目は会社銀行印です。会社銀行印は、設立登記では使いませんが、銀行口座を開設するときに必要となるので、一緒に作っておくとよいでしょう。また、社長個人の実印の印鑑証明書も必要です。印鑑証明書の必要部数は、その立場により異なりますので、注意してください。代表取締役の場合、公証役場と法務局への提出用に計2通が必要になります。

3.定款を作成する

続いては定款の作成です。定款とは会社の目的、株式に関する事項、資本金を払い込む金融機関などを記載するものです。

定款は3部作成し、捺印・割印が必要です。この定款への捺印は、印鑑登録された個人の実印でなければなりません。

(関連記事)会社の定款とは?作成のポイントは?変更手続きは?

4.公証人の定款認証を受ける

定款ができたら、公証人役場に提出し、認証を受けます。

認証を受けられる公証役場は、設立予定の会社の本店所在地と同一都道府県内にあるものに限られますので、事前に日本公証人連合会のホームページで確認しましょう。公証人の定款認証手数料が5万円、定款に貼る収入印紙代が4万円、謄本交付料が2千円かかります。電子定款の場合は収入印紙代が不要になります。そして出資金(資本金)を払い込み、払込証明書を作成します。なお、合同会社を設立する場合は、公証人役場での定款の認証の手続きは必要ありません。

(関連記事)公証人の定款認証手続きとは?|会社設立前に知るべきこととは

5.出資金(資本金)の払い込みをする

 出資金(資本金)を払い込み、払込証明書を作成します。この時点で会社名義の銀行口座は存在しませんので、発起人(複数人いる場合は発起人総代)の個人名義の口座を使用します。なお、払込証明書の作成には通帳のコピーが必要になりますので、通帳のある銀行口座を使用しましょう。

(関連記事)会社設立時の資本金の払込はいつ、どこにすればいい?

6.法務局に登記申請をする

最後に、法務局に設立登記申請書を提出します。この設立登記申請書の提出日が会社の設立日となります。設立登記申請時に、法務局の窓口で、登記完了の予定日が伝えられますから、不備がなければ、伝えられた日以降に会社の登記簿謄本を取得することができます。これで無事に会社設立が完了します。

書類の作成だけでも日数を要しますが、法務局の審査が完了するまでに最低でも1週間かかります。会社設立には日数を多めに見ておくことが必要です。行政書士などに依頼すれば日数が短くなります。

 

会社設立にかかる最短期間と標準的な期間

先ほど解説したように、会社設立には様々な手続きが必要です

これから会社設立の準備を始めるのであれば、先ほどの1~5までの手続きにかかる期間として、少なくとも2週間~3週間程度みておくとよいでしょう。社長1人の会社であれば自分だけで進めることができますが、出資者や役員が多くなるとその人たちとの調整も必要となりますから、時間もかかります。

すでに会社設立に必要な書類や印鑑、資金も揃っている状態であれば、最短で3日程度でも可能です。公証人役場へ連絡して、定款の事前にチェックをしてもらい、認証を受け、資本金の払込み、法務局への設立登記申請という手順になりますから、急げば3日程度でも可能です。合同会社であれば、公証人の定款認証が必要ないので、もっと早く登記申請をすることもできます。

その後、法務局に登記申請を行ってから、法務局が審査を行い、登記が完了するまでは通常1週間~2週間かかります。この期間は短縮することはできません。

つまり、設立準備を始めてから、登記が完了するまでの期間は【4週間から5週間程度】はかかることとなります。

これから会社設立の準備を始めるけど、一刻も早く会社設立を完了させたい、ということであれば、専門家に相談するのも一つでしょう。専門家に依頼すると、経験が豊富ですから、素早く不備のない書類を準備することができます。

 

設立できたらすぐに事業ができるとは限らない

ここまで会社設立の流れや期間について見てきました。

しかし、設立登記が完了したからといってすぐに事業を始めることができるとは限りません。銀行口座の開設は、登記完了するまでできませんし、個人のようにその場ですぐに開設することもできません。早くとも数日から1週間程度の時間がかかります。
また、許認可の必要な業種であれば、許認可の申請をして、受けるまで事業を始めることができません。

このように会社が設立できたからすぐに事業ができる訳ではありません。いつから事業を始めたいのかをまず決めましょう。そして、会社設立手続きやそれ以外に必要な手続きに要する期間を逆算して、会社設立の準備を始めるタイミングを考えましょう。

 

会社設立について税理士に相談するメリットは?

会社設立に係る業務自体は税理士の業務ではありませんが、税理士の多くは司法書士と提携していますので、信頼できる司法書士の紹介を受けることができます。

みんなの会計事務所では、税務顧問契約を締結いただける場合は、司法書士報酬を弊所が全額負担しますので、電子定款を使って印紙代が省ける分、実はご自身でお手続きするよりもおトクに会社を設立することができます。

また、個人事業主からの法人成りの場合は、個人と法人とでの税負担額のシミュレーションや、事業用資産を移転する際の注意点などを検討することができます。その他、消費税の免税期間をできるだけ長くとる会社設立の仕方などもありますので、税理士へ相談するメリットは多いにあると言えるでしょう。みんなの会計事務所では会社設立のご相談を多数お受けしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

 

まとめ

会社設立にはかかる期間の目安について解説しました。急げば数日で会社設立することもできます。しかし、会社設立時には会社にとって大事な事項をたくさん決めます。急いで進めるのではなく、大事な事項についてはしっかりと検討してから進める方がよいでしょう。