解説「平成28年度税制改正大綱」法人に係る税金

  平成27年12月16日に「平成28年度税制改正大綱」が公表されました。 そのうち、法人に係る主な改正内容を解説します。 なお、今後、国会審議の過程で内容が変更される可能性がありますので、ご注意ください。 1 … 続きを読む 解説「平成28年度税制改正大綱」法人に係る税金

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平成27年12月16日に「平成28年度税制改正大綱」が公表されました。
そのうち、法人に係る主な改正内容を解説します。
なお、今後、国会審議の過程で内容が変更される可能性がありますので、ご注意ください。
1.法人実効税率の20%台への引下げ
現行32.11%の法人実効税率が、28年度からは29.97%、30年度からは29.74%に引下げられます。
2.減価償却制度の見直し
平成28年4月1日以後に取得する建物付属設備及び構築物、鉱業用の建物の償却の方法について、定率法が廃止されます。
3.法人事業税の税率引下げと外形標準課税の拡大
平成28年4月1日以後開始事業年度より資本金1億円超の法人事業税の外形標準(付加価値割・資本割)が拡大されます。
付加価値割              0.72%⇒1.2%
資本割          0.3%⇒0.5%
所得割(年400万円以下) 3.1%⇒1.9%
所得割(年800万円以下) 4.6%⇒2.7%
所得割(年800万円超)  6.0%⇒3.6%
4.欠損金の繰越控除制度の控除限度額の縮小
大法人の控除限度額が次のように改正されます。
平成28年度 所得金額の65%⇒60%
平成29年度 所得金額の60%⇒55%
また、繰越期間が10年となるのは、平成30年4月1日以後に延期されます。
5.地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設
地域再生法の改正法の施行の日から平成32年3月31日までの間に地方創生推進寄付活用事業に関連する寄付金を支出した場合、法人税及び住民税から税額控除できる制度が創設されます。企業が寄付をした場合の、実質負担が最低で約40%程度で済むこととなります。
6.交際費の損金不算入制度の適用期限延長
飲食費に係る損金算入の特例と中小法人に係る損金算入の特例の適用期限が2年延長され、平成30年3月31日までに開始する事業年度まで適用されます。
7.中小企業者等以外の欠損金の繰戻しによる還付制度の不適用措置の適用期限延長
中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付制度の不適用措置の適用期限が2年延長され、平成30年3月31日までに開始する事業年度まで、中小企業者等以外の法人は、欠損金の繰戻し還付の適用ができないこととなります。
8.環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)の見直し
風力発電設備の即時償却の廃止など一定の見直しが行われた上で、環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)の適用期限が2年延長され、平成30年3月31日までの間に取得した資産について適用することができます。
9.中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限延長
中小企業者等の少額減価償却資産(30万円未満)の取得価額の損金算入の特例の適用期限が2年延長されます。ただし、常時使用する従業員数が1,000人を超える法人は除外となる。
10.中小企業者等の機械装置の償却資産税の特例の創設
中小企業者等が平成31年3月31日までの間に生産性向上設備のうち一定の機械装置を取得した場合、最初の3年間、課税標準に価格を1/2とする措置が創設される。

平成27年12月16日に「平成28年度税制改正大綱」が公表されました。
そのうち、法人に係る主な改正内容を解説します。

⇒個人に係る主な改正内容はこちら
⇒消費税関連の主な改正内容はこちら 

なお、今後、国会審議の過程で内容が変更される可能性がありますので、ご注意ください。

1.法人実効税率の20%台への引下げ

現行32.11%の法人実効税率が、28年度からは29.97%30年度からは29.74%に引下げられます。

2.減価償却制度の見直し

平成28年4月1日以後に取得する建物付属設備及び構築物、鉱業用の建物の償却の方法について、定率法が廃止されます。

3.法人事業税の税率引下げと外形標準課税の拡大

平成28年4月1日以後開始事業年度より資本金1億円超の法人事業税の外形標準(付加価値割・資本割)が拡大されます。

付加価値割              0.72%⇒1.2%
資本割             0.3%⇒0.5%
所得割(年400万円以下) 3.1%⇒1.9%
所得割(年800万円以下) 4.6%⇒2.7%
所得割(年800万円超)  6.0%⇒3.6%

4.欠損金の繰越控除制度の控除限度額の縮小

大法人の控除限度額が次のように改正されます。
平成28年度 所得金額の65%⇒60%
平成29年度 所得金額の60%⇒55%

また、繰越期間が10年となるのは、平成30年4月1日以後に延期されます。

5.地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設

地域再生法の改正法の施行の日から平成32年3月31日までの間に地方創生推進寄付活用事業に関連する寄付金を支出した場合、法人税及び住民税から税額控除できる制度が創設されます。企業が寄付をした場合の、実質負担が最低で約40%程度で済むこととなります。

6.交際費の損金不算入制度の適用期限延長

飲食費に係る損金算入の特例と中小法人に係る損金算入の特例の適用期限が2年延長され、平成30年3月31日までに開始する事業年度まで適用されます。


7.中小企業者等以外の欠損金の繰戻しによる還付制度の不適用措置の適用期限延長

中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付制度の不適用措置の適用期限が2年延長され、平成30年3月31日までに開始する事業年度まで、中小企業者等以外の法人は、欠損金の繰戻し還付の適用ができないこととなります。


8.環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)の見直し

風力発電設備の即時償却の廃止など一定の見直しが行われた上で、環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)の適用期限が2年延長され、平成30年3月31日までの間に取得した資産について適用することができます。


9.中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例の適用期限延長

中小企業者等の少額減価償却資産(30万円未満)の取得価額の損金算入の特例の適用期限が2年延長されます。ただし、常時使用する従業員数が1,000人を超える法人は除外となる。


10.中小企業者等の機械装置の償却資産税の特例の創設

中小企業者等が平成31年3月31日までの間に生産性向上設備のうち一定の機械装置を取得した場合、最初の3年間、課税標準に価格を1/2とする措置が創設されます。